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面接ナビ / 国公立大学の面接

国公立大学の面接は、
私立と何が違うのか。

国公立にも、面接で合否が決まる入試方式があります。しかも募集要項には、面接が何点なのか、何を評価するのかが、数字と言葉で書かれていることが少なくありません。要項のどこを開けば準備の順番が決まるのかを、実際の大学の記述から整理しました。

「国公立は学力で決まるから、面接はおまけだろう」。そう考えていた受験生が、志望校の募集要項の配点表を見た瞬間に手が止まる——珍しい話ではありません。国公立大学にも、年内に出願・選考が行われる学校推薦型選抜や総合型選抜があり、そこでは面接が合否の中心に置かれている区分があります。

面接ナビでは758校の面接ガイドを大学別に整理していますが、そこに国公立大学の項目が加わりました。この記事は、その導入として「国公立の面接は私立と何が違うのか」を整理するものです。一般論ではなく、各大学が公表している募集要項・入学者選抜要項に実際に何が書かれているかを手がかりにします。

国公立の面接は、どの入試方式に置かれているか

国公立大学の入試は、大きく一般選抜と、年内に選考が行われる学校推薦型選抜・総合型選抜に分かれます。面接が主役になりやすいのは後者ですが、名称は大学ごとに違います。総合型選抜を北海道大学は「フロンティア入試」と呼び、京都大学は「特色入試」、神戸大学は「『志』特別選抜」と呼びます。「総合型選抜」という言葉だけで探すと、たどり着けないことがあるわけです。

学校推薦型選抜の呼び方も一様ではありません。筑波大学はこの区分を「推薦入試」と表記し、山形大学は学校推薦型選抜ⅠとⅡに分けていて、医学部はⅠを実施せず推薦はⅡ(募集65人)だけです。同じ大学の中でも、学部によって入り口が違うということです。

さらに、一般選抜に面接が置かれる場合もあります。東京大学の一般選抜前期日程では、理科三類(募集92人)の配点表の面接欄に点数がなく、注記に「理科三類の面接は、総合判定の判断資料とします」「したがって、学力試験の得点にかかわらず不合格となることがあります」と書かれています。山形大学の一般選抜前期日程でも、医学科の個別テスト等は面接100点を含む合計700点です。年内入試を受けない人にとっても、面接が無関係とは限りません。

違い1:面接の配点と「下限」が、要項の数字で示されることがある

国公立の要項を読んでいて最初に驚くのは、面接の重みが数字で出てくる区分があることです。大阪大学歯学部の学校推薦型選抜では、第2次選考が300点満点で、内訳は大学入学共通テスト400点を100点に換算したものと、面接200点。面接が3分の2を占めます。そして配点表のすぐ下に、面接の得点が概ね80パーセント以上であることが必要、という趣旨の一文が置かれています。200点の8割ですから、160点が線になります。

兵庫教育大学の総合型選抜〈一般枠〉は、共通テストを課さず、面接(プレゼンテーションを含む)600点と3種類の提出書類200点の合計800点です。面接が満点の75パーセントで、残りは出願時に提出した書類の点数なので、試験日に動かせるのは600点だけ。ここでも、面接の成績が60パーセントに満たない場合には不合格となることがある、という条項が要項に書かれています。

東京学芸大学の学校推薦型選抜は、面接の基準点そのものを数字で公表しています。令和8年度の実績値では、B類国語コースが面接180点満点に対して基準点144点(80.0パーセント)である一方、A類・B類の理科コースは面接150点に対して30点(20.0パーセント)でした。同じ大学の同じ入試方式でも、コースによって面接に求められる水準がここまで開きます。要項には、各科目等の得点のうち1つでも基準点に達していない場合は総合点の如何にかかわらず不合格とする、と書かれています。

ただし、数字が出るとは限りません。東京大学の学校推薦型選抜の学生募集要項には、合否を決める配分の表がなく、合否判定は提出書類・資料、面接等、及び大学入学共通テストの成績を総合的に評価して行う、と書かれているだけです。名古屋大学の学校推薦型選抜も、面接の配点は公表せず面接時間を学部単位で公表しています。「配点が明示されやすい」は傾向であって、志望校の要項を実際に開いて確かめる必要があります。

違い2:共通テストとの距離が、方式ごとに決められている

私立の総合型・学校推薦型では、共通テストとの関係を意識せずに準備が進むことがあります。国公立では逆に、共通テストをどう扱うかが方式ごとに要項へ書き込まれていて、そこが準備配分の分かれ目になります。

筑波大学の推薦入試(募集513人)は、その典型です。2027年度の入学者選抜要項の選抜方法等欄は、大学入学共通テスト及び個別学力検査等を免除し、小論文(芸術専門学群を除く。)及び面接(医学群医学類は適性試験)を実施する、という一行から始まります。学力試験に関する記載はこの一行だけで、513人分の合否が小論文と面接で決まる設計です。山形大学の学校推薦型選抜Ⅰも共通テストを課さず、2027年度からは筆記試験も課されなくなりました。

受けるけれど点にはならない、という書き方もあります。北海道大学のフロンティア入試TypeⅠは、第1次選考100点・第2次選考100点の合計200点満点で12の募集単位が統一されていて、要項には、大学入学共通テストの成績は最終合格者とするための判定にのみ用います、と書かれています。京都大学の特色入試のうち医学部医学科の区分(学校推薦型選抜・募集5人)でも、共通テストの成績は判定には利用しないが指定した教科・科目は受験して結果を提出すること、という注が付いています。

一方、東京大学の学校推薦型選抜では、共通テストについて概ね8割以上の得点であることを目安とします、と書かれています。面接の準備と共通テストの勉強を並行させる前提だと読み取れます。志望校のこの一行を先に確認すると、秋以降の時間の割り振りが決まります。

違い3:面接の「形」が、学部・学類の単位で分かれる

国公立では、同じ入試方式の中で学部・学類ごとに面接の中身が変わる大学が目立ちます。「○○大学の面接対策」という粒度では準備しきれない、ということです。

筑波大学の推薦入試では、「面接」という語が指すものが学類ごとに違います。知識情報・図書館学類は個別面接ではなく、要項の面接等の欄に、小グループによるビブリオバトルを行い、説得力、コミュニケーション能力等を総合的に評価します、と書かれています。比較文化学類は少人数でのディスカッション、情報科学類と情報メディア創成学類は個別面接の説明の末尾に「数学の口頭試問を含みます。」という一文が足されています。

東京大学の学校推薦型選抜も学部ごとに形が異なります。法学部(10人程度)はグループ・ディスカッション及び個別面接、文学部(10人程度)は1日目に小論文・2日目に面接で7分以内のプレゼンテーションのあと質疑応答、といった具合です。名古屋大学の学校推薦型選抜では面接時間が文学部約15分、教育学部約25分と学部単位で公表され、医学部医学科は英文の課題に基づく個人面接約20分と、プレゼンテーションのあとの個人面接約20分の2本立てです。

呼び名そのものが分かれることもあります。大阪大学の総合型選抜・学校推薦型選抜13募集単位には面接または口頭試問が無い区分がありませんが、外国語学部や基礎工学部は「口頭試問」、文学部や工学部は「面接」と表記されています。医学部保健学科にいたっては3専攻で名称が違い、看護学専攻が口頭試問、放射線技術科学専攻が面接、検査技術科学専攻が小論文及び面接(集団面接を含む)となっています。

面接が課されない区分がある点も見落とせません。東京科学大学の総合型選抜では、環境・社会理工学院のA(建築学系)が造形課題120分だけで面接がなく、B(土木・環境工学系)は「面接(筆記を含む)」、C(融合理工学系)は面接のみです。名古屋大学の学校推薦型選抜でも、理学部・農学部・工学部建築学プログラムには面接がありません。

方式別に、どこを見るか

学校推薦型選抜を受ける場合

まず、その大学が学校推薦型選抜を単一の区分として持っているのか、山形大学のようにⅠとⅡに分かれているのかを確認し、そのうえで配点表とその下の注記を読みます。面接単体の下限が決められていることがあるためです。

総合型選抜を受ける場合

大学独自の名称で実施されていることが多いので、まず名称を特定します。神戸大学の「志」特別選抜のように、最終選抜の中身が区分ごとに設計されている例もあります。同大学では、理学療法学専攻が面接600点と第1次選抜の結果600点の合計1,200点、法学部と農学部の3コースは面接・口頭試問だけ、文学部は小論文が加わる、という分かれ方です。なお同選抜は、令和10年度以降、文学部・法学部・医学部など7学部で募集を停止する予定が公表されています。

医学科の推薦・地域枠を受ける場合

医学科は、面接が独立した不合格条件として書かれやすい区分です。山形大学の学校推薦型選抜Ⅱでは、医学科一般枠・地域枠・看護学科の合否判定基準に、面接の結果によっては総合点にかかわらず不合格とすることがある、という一文が置かれています。面接の量も多く、大阪大学の学校推薦型選抜の医学部医学科は第2次選考で個人面接30分を2回行います。

地域枠は、出身地の枠だと思われがちですが、そうとは限りません。浜松医科大学の医学科の学校推薦型選抜には一般枠17名と地域枠7名があり、要項には、いずれの出願区分も出願者の出身地及び出身高等学校等所在地による制限はありません、と書かれています。条件になっているのは静岡県医学修学研修資金(年間240万円・6年間で総額1,440万円)の貸与を受け、卒業後は静岡県キャリア形成プログラムに沿った勤務を確約できることで、卒業後9年間の従事が返還免除の条件です。面接で将来の働き方を問われる土台が、要項の側にあるわけです。

教員養成系を受ける場合

教員養成系は、面接で見る項目が要項に明記されている例が多い分野です。兵庫教育大学の要項には、面接でみる4項目として、教員になろうとする強い意志/知識・技能/思考力、判断力、表現力/主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度が挙げられ、総合型選抜と学校推薦型選抜では「教員になろうとする強い意志」が1番目に置かれています。

東京学芸大学のアドミッション・ポリシー末尾の表にも同種の4項目が示され、学校推薦型選抜の面接はその4項目すべてが評価対象、実技試験は2項目のみという区別がされています。同選抜は22の選抜単位すべてに面接があり、出願書類一式を面接において参考資料とし面接に含めて評価する、と注記されています。

準備の考え方:要項の「評価の観点」から逆算する

私立向けの面接準備は、志望理由と高校での活動を語れるようにするところから始めることが多いと思います。国公立でもその土台は変わりませんが、順番を一つ入れ替えると効率が変わります。先に、志望する方式・学部の要項に書かれた「何を評価するか」を読むことです。

北海道大学のフロンティア入試の要項には、面接で問う内容が募集単位ごとに列挙されています。医学部保健学科の5専攻は意欲・目的意識・論理性・協調性・適性・基礎学力等、水産学部は論理的思考力・目的意識・積極性(意欲)・協調性・コミュニケーション能力等、といった具合です。この語の並びは、そのまま自分の話の点検表になります。協調性という語が入っている専攻を受けるなら、一人で成し遂げた話だけを用意していては噛み合いません。

もう一つ、国公立ならではの前提があります。試験後に点が返ってこない場合があることです。浜松医科大学は、一般選抜前期・後期、学校推薦型選抜など9区分すべてについて、個別テスト等に関する結果(面接評価を除く。)を情報提供する、と書いています。面接の評価だけは開示対象外です。手応えを後から数字で確かめられない前提で、事前に要項の言葉と自分の話を突き合わせておく意味は大きくなります。

保護者の方が伴走する場合の具体的な進め方は、保護者向けの記事にまとめています。面接で何が見られるか、家庭で何をして何をしないほうがよいかを、国公立・私立を問わない形で整理してあります。

志望校の要項を、この記事の視点で開いてみる

ここまで見てきたとおり、国公立の面接は「国公立だから」で一括りにできる形をしていません。共通テストを免除する方式もあれば、8割を目安とする方式もある。面接が3分の2を占める学部もあれば、面接自体を課さない学系もあります。

だからこそ準備の最初の一手は、志望する大学・学部・方式の要項を開いて、配点表・面接の形式・評価の観点の3点を確認することです。面接ナビでは、各大学の要項の記述を方式別に整理し、想定質問と回答の組み立て方までを大学別にまとめています。

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